世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


ラベル5 エクストラレア 18年  18年  40.0%

  • 地域: スコットランド
  • ブランド: ラ・マルティニケーズ
  • 価格帯: 26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:132号

クリス・グッドラムSCORE7.9

香り
くっきりとした、ハーブのようなグレーンのアロマが、ベルベットのようなアメリカンオークの香りと混ざり合う。共に粉っぽい大麦とオークの感触があり、熟成年の長いスピリッツの効能が推察される。時間が経つにつれ、香り高いライムとグーズベリーの感触が現れる。トーストのようなバターの香りも伴っている。
旺盛なトフィーのようなオーク、キャラメル、ラクトースの風味で幕を開ける。オーク風味があまりにも幅を利かせ、味覚をくじいてしまう。くっきりとしたグレーンスピリッツの感触が、最後にオークの支配を打ち破る。
フィニッシュ
余韻には心地よい長さがあり、舌を洗い清めるようなグレーンと柑橘の風味が突き抜ける。
コメント
香りを嗅いだときに、オーク風味が味覚を圧倒してしまうのではないかという予感があった。残念ながらその予想は当たってしまった。

ジョエル・ハリスンSCORE8.8

香り
これもまたうまく構成されたブレンデッドの香り。質の高い原酒と、優れたウイスキーづくりを見せつけている。リッチな甘味が力強くオイリーな土台を作り、スパイス、オレンジキャンディー、古い松の木などの匂いが加わる。長期熟成のウイスキーが含まれていて、特別なボディーと複雑さをもたらしているような感触がある。
イチゴとクリーム、グーズベリーと土の風味といった、好ましいバランスの味覚。だが同時に若干の弱さもある。もう少しだけ高いアルコール度数だったら、この弱さも出さずによりよい表現ができたかもしれない。
フィニッシュ
望んだほどに濃厚な訳ではなく、やや甘味(とても甘い淹れたてのミントティー)が過剰。
コメント
見事な香りである。だが経済的事情でアルコール度数が下げられ、本来はリッチで滑らかだったはずの味わいを台無しにしたのではないと信じたい。惜しいところまで行っているが、最高の長所が低い度数によって失われている。